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ハレの日とケの日

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百田尚樹『モンスター』ラスト!女の情念と残酷さに身震い

書籍 書籍-小説

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500ページ弱にも及ぶ長い本編のラスト、主人公にとってみれば一瞬でも幸せを感じることができたのだろうと思いきや、その後のエピローグ最後の2ページを読み茫然としてしまいました。

あまりに哀れ、やりきれなくて。「美」への凄まじい執着、美しくなるごとに人への冷徹さが増し、自分を蔑んだ人に報復しなければ気が済まない利己主義な主人公。

決して共感できない主人公だけどエピローグを読み終え、最後主人公は報われたのだろうか?幸せを感じたのだろうか?感じていてほしいと願うような気持になります。

百田尚樹さんプロフィール

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出典:http://www1.e-hon.ne.jp/content/sp_0031_i1_201305.html

1956年生まれ
 
大阪府大阪市東淀川区出身

同志社大学法学部 大学5年生で中退

その後、放送作家として25年以上『探偵ナイトスクープ』などの番組で活躍

2006年
『永遠の0』で作家デビュー

2013年
『海賊と呼ばれた男』で本屋大賞を受賞

百田尚樹 (@hyakutanaoki) | Twitter

『モンスター』あらすじ

主人公は、生まれ故郷に戻りレストランを経営する美女「鈴原未帆」38歳。「鈴原未帆」の正体は、かつて町で「モンスター」と呼ばれていた「田淵和子」。

容姿に恵まれず「田淵和子」は子供の頃から美しい姉の智子からも、同級生からも、外見を理由にイジメを受けていた。

高校生になるとクラスメイトの「高木英介」に恋心を募らせる。恋心からある事件を起こし「モンスター」と呼ばれるようになり高校を卒業した翌日、親からも勘当同然で町を追われ東京へ。

24歳になった「田淵和子」は、東京の風俗で働き稼いだお金で美容整形を繰り返し美を追い求める。

総額1000万以上をつぎ込み、二重まぶたの埋没法・鼻・歯のインプラント、他にも数え切れないほどの整形手術をして「田淵和子=鈴原未帆」は美女となり男性は次々と彼女の虜になっていく。

完璧な美人に変身を遂げても忘れられないのはクラスメイトだった「高木英介」への思い。

月日は流れ38歳「田淵和子=鈴原未帆」は、整形で手に入れた美しい容姿・高級店で稼いだ大金・親でも気づかない程の別人になり、20年ぶり生まれ故郷に戻りレストランを開店。

かつて愛したクラスメイト「高木英介」が、お客さんとして店に来ることを信じて待ち続ける。

そして「田淵和子=鈴原未帆」は、「高木英介」と再会することに・・・・・

私は三十年近く生きてきて、世の中がいかに不公平なものであるかということをたっぷり学んできた。

今さらそのことに不満を言うつもりはない。
人は持って生まれた能力で戦っていかなくてはならない。

私は戦って美しさを手に入れた。
だから私は「美」の価値を知っている。

せっかく美しく生まれながら、その価値を知らずに生きている女がどれほど多いことか。

『モンスター』
百田尚樹

 『モンスター』 映画化

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出典:モンスター : 作品情報 - 映画.com

製作 2013年
配給 アークエンタテインメント
監督 大九明子

「田淵和子」
「鈴原未帆」役
高岡早紀(特殊メイクを施して2役)

「高木英介」役
加藤雅也


過去を吹っ切って新しい生き方をするチャンスが何度もありながら「田淵和子」は、美しさを手に入れた「鈴原未帆」になっても人を好きになり、相手からも好きになってもらえたりする青春を過ごせなかったこと、容姿のことでいじめられ続けた怒り・悔しさに囚われ続けます。

自身の容姿に劣等感を抱き続けた人生から、美しさを求めることに夢中になり頑張った姿は他人から見たら痛々しく愚かと思われたとしても「田淵和子」は、幸せだったのだろうか?

本編のラスト・・その後のエピローグを読み終えると呆然とし切なさがこみあげてきます。

あとがき

長年体を酷使し手に入れた大金で整形を繰り返し美を追求した「田淵和子」が、手に入れたと思っていた「美」・「お金」・「男性の気持ち」は泡沫。

でも、どんな女性の中にも「田淵和子」の思いがあると思えるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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